トゥール・ドゥ・ラ・ヴァノワーズ Tour de la Vanoise
プロローグ 昨年始めてヴァノワーズを歩いたときに、自然の美しさに魅かれて是非数日かけて歩いてみたいと思った。ヴァノワーズ山群はヴァノワーズ国立公園の中心に位置しており、4000mに達する山こそ無いものの3000mクラスの名峰が連立しており、氷河も豊富だ。国立公園内は縦横無尽に登山ルートがあるため自分の体力や日数によって選ぶことができ、今回はヴァノワーズ山群を眺めながらのルートを選んだ。当初からテント山行にしようと考えたが国立公園内にテント場はなく、数ある山小屋の中でも限られた山小屋でしかビヴァークを許可しておらず(山小屋の隣の指定された敷地に許可をとってビヴァークできる。こちらでは日没の夜7時頃から朝7時頃までだけテントを張ることが許されることもビヴァークという)、自然とこのビヴァーク可能な山小屋を線で結んだルートが今回の縦走路となった。 そしてもうひとつの目的が、野生のブクタン(山に生息する山羊、シュタインボック)を見ること、高山植物を楽しむこと。山歩きは1年半ぶりというパンキーPunckyを伴ってののんびり登山にはもってこい。 こうしてテントと6日分の食料と期待に膨らむ気持ちを背負って出発した。 |
ヴァノワーズ観光局ガイドブックより |
1日目 7月5日 晴れのち曇り
プラロニャン Pralognan 1422m | − |
オソワのコル Col d'Aussois 2916m | +1494m |
フォン・ドソワ Fond d'Aussois 2324m | -592m |
歩行距離 | 約13km |
所要時間 | 6時間35分 (休憩、昼食約1時間を含む) |
プラロニャンを出発してからは整った登山道を緩やかに登っていく。登っていくというよりも谷の奥に向かって歩いていく。こうしたのどかな道を1時間半くらい歩いた頃に高山牧場の小屋が見えてくるので、ここからは道を左に取り、いよいよ本格的登りに入る。天気はいいが暑いというほどではなく、とても心地よい。空の青と雪の白、そして緑が心にも気持ちがいい。 2250m辺りの森林限界を抜けると目の前には雪を少し残した岩山が現れる。目指すオソワのコルまでは岩のガレ場が続く。 先ほどまでは歩くにはちょうどいい気温だったのに、高度を少し上げたせいと風の通り道のせいか、立ち止まると途端に体が冷える。このためゆっくり昼食のサンドイッチも食べられず、急いでほおばる。 この前の週にエクラン山群を登っていたせいか、この道無き岩場の登りも快調に登ることができた。 |
のどかな道が谷の奥まで続く | |
高山牧場の小屋が見えてきた 登山道は森林の中をジグザグに登っていく |
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少し登って振り返ったところ 歩いてきた道が緑の中まっすぐに伸びている |
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緑の絨毯は終わろうとしており、代わって岩場が現れる コルは正面 |
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左手にはジェネピィ氷河を頂いたドーム・ドゥ・ラールポン3576mが見える | |
パンキーが根を上げた岩場 岩場が続くが道は無いので頭上のコルを目指して進む |
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振り返って見たところ | |
2916mのオソワのコルに到着 反対側には湖が見えた |
コルに上がった頃には雲が張り出しており、時々雷の音が聞こえる。今夜のビヴァーク地点、フォン・ドソワの小屋はこのコルを下ったところにあるはずなので急いで下りにかかる。ここも道がないので、岩場をよく読んで進む。こちら側は雪が溶け出していたり滝があったりで岩場が濡れているので慎重に足を出していく。ここで雨にでも降られたら大変、雨が降ったらテントを張るのもいやになる、とまるで雨の振出しとのかけっこ。 下り斜面が緩やかになって緑が再び現れ始めたころようやく小屋の屋根が見えた。 勝負は無事私たちが勝ったようで、小屋に着くまで雨はもってくれた。 この夏で3シーズン目を迎えたというフォン・ドソワ小屋はまだ新しく、大きな窓からは光が充分入って開放的。水洗トイレやシャワーも完備され、ちょっとしたペンション風。本来私たちは夕方7時以降でないとテントを張れないのだが、雨が降り出しそうだからという理由で管理人さんからすぐに張ってもいいよといううれしいお言葉。早速寝床を整える。 |
こるから少し下ったところで振り返る | |
雪渓が溶けて滝になっている | |
だいぶ降りてきたところ | |
コル方面 高度を下げると次第に緑が現れる |
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コルは随分遠くなり、このころからフォン・ドソワ小屋の屋根が見え始める | |
雨が降る前に設営完了 指定の場所にしかテントを張れないが、ここは多分3〜4つが限度か |
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新しくて開放的な小屋の食堂(翌朝撮影) |
この日の宿泊者は15人くらい。ビヴァークする人は私たち以外にも2人いた。 使わせてもらえる台所もきれいで、調理したら食堂で食べることができる。生ビールを注文して先ずは1日目に乾杯。 |
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