モン・ブランのことを知る前はヨーロッパ・アルプスの中の独立峰をイメージしていました。例えばスイスのマッターホルンや、そう、富士山のような。ところが実際のモン・ブランは周りを3000m、4000m級の雄峰に囲まれた山群の中の1山でした。シャモニーから見上げたその姿は円峰で、夏でも氷と雪に白く覆われています。
このモン・ブランを中止とした、フランス、イタリア、スイスと国境を分かっているモン・ブラン山群は、ヨーロッパ・アルプスの中でも最も知られた山群であり、長さは50km、幅13kmに及びます。これは日本の北アルプスや南アルプスと比較してみると山の広さでいえばそれほど広域ではないことが分かります。しかし違う点は、長さ1350mのボソン氷河に代表されるように、山と山は氷河で埋め尽くされ、4000m峰が14座、3000ｍ峰が60座と、険しい岩峰が連立している点です。
フランス側からみるモン・ブラン山群は1500mから2000ｍ位までは緑に覆われ、それ以上は鋭い岩と雪が支配しています。イタリア側からは全くと言っていいほど違う顔をしており、ほとんど岩が支配しおり、牧歌的な谷から垂直と思えるような岩壁が山頂まで達しています。スイス側では、氷河は標高の高い位置に留まっており、全体的に急峻さは少ないのですが山頂までのルートは長くアクセスは難しいようです。
参考までに上記4000m峰14座とは、
・モン・ブラン Mont Blanc 4808m
・ドロワット Droites 4000m
・エギュイーユ・ドュ・ジャルダン Aiguille du Jardin 4035m
・ラ・グラン・ロシューズ La Grand rocheuse 4102m
・エギュイーユ・ヴェルト Aiguille Verte 4121m
・ダン・ドュ・ジェアン Dent du Géant 4013m
・エギュイーユ・ドゥ・ロシュフォール Aiguille de Rochefort 4001m
・ドーム・ドゥ・ロシュフォール Dôme de Rochefort 4015m
・グランド・ジョラス Grandes Jorasses 4208m
・エギュイーユ・ブランシュ・ドゥ・プートゥレ Aiguille Blanche de Peuterey
4112m
・モン・ブリュイヤード Mont Brouillard 4069m
・エギュイーユ・ドゥ・ビオナッセイ Aiguille de Bionnassay 4052m
・モン・モウディ Mont Maudit 4465m
・モン・ブラン・ドュ・タキュール Mont Blanc du Tacul 4248m
この中のグランド・ジョラス Grandes Jorasses は、スイスのマッターホルン、アイガーと共に3大北壁として有名です。ちなみにマッターホルンのフランス語名はモン・セルバン
Mont Cervin です。
夏になると、1日に120,000人の人がこの山域で山登りやハイキングを楽しんでおり、モン・ブラン山群は自然観光地としては、富士山、ナイアガラの滝に次ぐ人出だそうです。
シャモニーの谷を基点に何百（もしかしたら千近い）というハイキングコース、登山ルートが延びています。その中からどの山の、どのルートを登ろうかと考えるのは本当に楽しいものです。
皆さんもぜひ、モン・ブラン山群へいらっしゃい！
