ヴァレ・ブランシュ Vallée Blanche


ヴァレ・ブランシュとは「白い谷」の意味で、まさにここは周りを3000m、4000m級の雪と岩の針峰に囲まれ、足元は氷河に埋め尽くされているまさに白銀の世界だ。
シャモニからロープウェーで一気に3842mのエギュイーユ・ミディまで登ればそこは観光客の展望台であるとともに、これからヴァレ・ブランシュに踏み出すアルピニストやスキーヤー達の出発地でもある。
ここからシャモニの町まで標高差は2800m、距離にして17kmのオフピステ・スキーの大ルートだ。
2003年2月に当時現役スキーヤー最年長の三浦敬三氏が、白寿の記念にここヴァレ・ブランシュを親子3代で滑走したことなどを記憶している人もいるかもしれない。

ミディ駅からは一旦尾根を下って谷の始まりのプラトーに出たら、そこからは氷河の流れと共に下り始める。
ここを滑走するにはもちろんある程度のスキー技術とともに、高所経験が必要かもしれない。というのも霧や雪崩などの刻々と変わる気象条件とともに、多数のセラック、クレヴァスなどの危険もあるからだ。
こうしたことからも、大抵の人は高所ガイドを依頼している。上記のような自然条件によっては通常ルート以外を通ることを余儀なくされたりすることもある為、よほど自然や地形を熟知していないと難しい。
2000年には年間85000人のスキーヤーがヴァレ・ブランシュを滑降し、ピーク時には1日2500人のスキーヤーで賑った。だが反面この年の冬季には、疲労によるものから死につながる事故まで、68回の救助要請があったという。
いくら通われているコースとはいえ、そこは標高と氷河上だということを考えれば侮ってはならない。

そしてエギュイーユ・ミディからこの谷を降りずにイタリア側のエルブロンネ Helbronner へトラヴァースするジェアン氷河 Glacier du Géant 歩き。エルブロンネからは4人乗りのゴンドラでミディまで帰って来れる手軽さもあって人気がある。このルートもモン・モウディ Mont Maudit へと続く急峻なブレンヴァ尾根 Brenva が迫り、モン・ブラン山群の「おへそ」にいることが体感できる。

この大雪原と氷と岩と空のコントラストは、ここでしか味わうことの出来ない風景だ。

  



 





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