エギュイエット・デ・ズーシュ Aiguillette des Houches (2285m)


2月24日 曇りのち晴れ


この山は冬にはスノーシューや山スキーのルートとしてよく知られています。登山口から山頂までは約1000mの標高差で、特に困難な箇所もないことから人気の山で、すれ違う人も多い山です。
途中にあるシャイオ小屋までは森林地帯を登り、小屋から山頂までは不森林帯なので深雪の中を進みます。
ここからはモン・ブランが大迫力で真正面に迫ってきますし、登頂ルートまでも手に取るように見えます。それを楽しむだけでも登る甲斐があるかもしれません。
とはいえ冬山ですので地図とコンパスは忘れずに。


出発地点標高 ル・ベテ le Bettey : 1352m
到着地点標高 シャイオ小屋 chalets de Chailloux : 1923m
エギュイエット・デ・ズーシュ Aiguillette des Houches : 2285m
標高差 ル・ベテ le Bettey 〜 シャイオ小屋 chalets de Chailloux : 571m
ル・ベテ le Bettey 〜 エギュイエット・デ・ズーシュ Aiguillette des Houches : 933m
歩行距離 ル・ベテ le Bettey 〜 エギュイエット・デ・ズーシュ Aiguillette des Houches : 約6.5km
所要時間 ル・ベテ le Bettey 〜 シャイオ小屋 chalets de Chailloux : 1時間15分
シャイオ小屋 chalets de Chailloux 〜 エギュイエット・デ・ズーシュ Aiguillette des Houches : 約1時間
エギュイエット・デ・ズーシュ Aiguillette des Houches 〜 ル・ベテ le Bettey :
1時間35分
道具 スノーシュー、アイゼン
地図 IGN 3531ET








朝起きてみると深い霧が立ち込めていた。1年ぶりにシャモニに戻ってきたというのに、まるで山に歓迎されてないような気分になる。ゆっくり朝食を食べて霧がはれるのを待つが一向に視界は開けない。仕方なく出発地点まで出向き、準備を始める。出発地の村ル・ベテにはもう何台かの車が止まっていた。何組かのスノーシューのグループ、山スキーの人は1組だ。

ル・ベテの村
この先は道が行き止まり
ル・ベテの駐車場
もう何台か止まってました

相変わらず霧が立ち込めていて展望がないが、途中のシャイオ小屋までは夏の登山道がしっかり残っているはずなので大丈夫なはず。山頂直下が急斜なので、念のためにザックにアイゼンを入れ、スノーシューを両脇にくくりつけ、10時45分かなり遅い出発。

やっぱり登山道ははっきりと分かり、スノーシューの楕円形の跡が踏み残っていた。スノーシューを履かずとも登山靴で歩いて足首くらいまでしかもぐらない。

このルートは大半が森林の中を通る。これらモミの木は夏は私達を太陽の陽射しから遮ってくれるし、冬は雪が降っても傘の役割をしてくれる。でも日本のようにモンスターのような樹氷にならないのは、湿気がなくサラサラした雪のせいだろうか。

一面の霧で、ちょっと幽玄の世界
雪はこんな感じ、踏み跡あり

途中でガイド付のスノーシュー登山のグループとすれ違う。私はというと、それほど雪は深くはないのでそのまま登山靴で登り続ける。手元のスントで見ると8〜9m/min. で登っていて、これくらいのペースだと息も切れない。こうして注意して見てみれば同じペースで登るトレーニングにもなるかも。
時間が経つにつれて少しずつ霧がはれて太陽と青空が顔を出し始める。太陽が出ると山頂付近は雪がくさるかな、と心配しつつペースをちょっとあげる。
ようやく森林の木がまばらになり始めてきたら、小屋が近い証拠。

木がまばらになり始める
前には山スキーの人が2人
半分雪に埋もれたシャイオ小屋に到着

この小屋の前で簡単に昼食を取る。立ち止まると途端に寒さが襲ってくる。山スキーの2人は水を飲んだだけで山頂に向けて出発してしまった。こういう時内心ちょっとホッとするのです、先行している人がいることや自分一人でないことに。先ほど追い越したスノーシューのグループが到着し、小屋の周りは一気に賑やかに。彼らはここからUターンらしい。

ここから山頂まではトレースが付いているだろうが、念のため地図でルートを確認。雪の状態も良く見ながら通過しないといけない箇所もある。
小屋を通りすぎしばらく登り続け、標高1990mあたりで左に折れる。このあたりから雪は膝上にまでもぐるほどになったのでスノーシューを装着。
しばらくは山稜下をトラバース気味に標高を上げていく。

スノーシューでも使いようによってはかなり急斜面でも登れる。ただ斜面がアイスになった場合にはスノーシューのアイゼンでは不十分なので要注意。
ということで山頂直下は風が強く雪がかなり硬いためアイゼンに履き替える。

INOOKのExpert
はっきり言ってでかいです。雪上の他の人のスノーシューの跡と比べても1.5倍。
タンカーと漁船って感じ?
次第に山稜が見えてくる
右には小さなアバランチ、足早に通り過ぎる
一旦コルに出てから尾根をトラバース
おお、まるでK2のようだ(『氷壁』の見すぎです)
山頂に埋もれていたケルン
また夏に会おうね
かすかに見えた(左から)ミディ、タキュール、モウディ、モン・ブラン

山頂に着いた頃にはまあまあの天気で、正面に雲がかかってはいたがモン・ブランが見えた。
雪山の魅力はこの静寂さにあるのではないかと思うほど静か。それでも耳をすませば雪のシンシンという音が聞こえてきそう。山スキーの2人は私が山頂に至る前に気持ち良さそうに滑走していったので、周りには誰もいない。こういうときはいつまでも山頂に留まっていたい気分・・・は私だけでしょうか。

下りは登りと同じルートを取り、ラ・ベテの村まで。



 





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