トゥール・デュ・モン・ブラン Tour du Mont-Blanc (TMB) |
3日目 5月19日 晴れ : コンタミン Contamines 〜 ボンノムのコル Col du Bonhomme |
通過ポイントと標高 | 距離(km) | 累計距離(km) | 所要時間 |
コンタミン Contamines 1167m | - | 17.5 | - |
ノートルダム・ドゥ・ラ・ゴルジュ ND de la Gorge 1210m |
3.2 | 20.7 | 50分 |
ナン・ボラン小屋 1459m Chalet de Nant Borrant |
1.6 | 22.3 | 30分 |
バルム小屋 Chalet de la Balme 1706m |
2.5 | 24.8 | 40分 |
ボンノムのコル Col du Bonhomme 2329m |
3.6 | 28.4 | 2時間30分 |
3日目歩行距離 | 10.9 | 28.4 | - |
起死回生の3日目。その割にはまたしても11時05分出発と遅い。「アルプス情報」ではさんざん「アルプスの山は天候の急変があるので早出発、早到着をしましょう!」などと言ってるくせに本人はいたってマイペース。というか早く起きなさい!・・・どうか明日を見て下さい。 さて、快晴のもとコンタミンを出発。昨日の続きでやはり気持ちのよいボン・ナン川沿い歩きから始める。 |
新緑が美しいです | |
途中にある水場 |
道の両脇にはテニスコートやスキージャンプ台、クロスカントリーコースなどがある。 いよいよモンジョワの谷の突き当たり、ノートル・ダム・ドゥ・ラ・ゴルジュ(峡谷の聖母の意)に着く。車が入ってこれるのもここまで。多くのTMBをする人はシャモニからここまで電車やバスを乗り継いで来て、ここから出発する人が多い。 |
ノートル・ダム・ドゥ・ラ・ゴルジュの教会 13世紀世紀から19世紀にかけて谷に住む人々の信仰を集めたという。今でも8月15日(聖母被昇天の祝日)には巡礼者が詣でる。 |
ここで簡単な昼食。(って2時間前に朝食食べたばっかりなのに) こういったのどかなところで休憩すると、なかなか腰が上がりにくい。12時50分再出発。 ここからが上りに入る。まずはスラブ状の坂道をひたすら上る。ここは古代ローマ時代に岩を切り崩して造られた道で、次第に川との標高差が増し、断崖になってくる。川のほうも山に近づくにつれ奔流になってきた。 このあたりはまさにゴルジュ(峡谷)だ。なだらかな上りを進んでいくと、ナン・ボラン小屋が見えてくる。 6月中旬の開業前の準備なのか、ベランダでベッドのマットを干していた。 |
ナン・ボラン小屋 | |
コンタミン・モンジョワ自然保護区の看板 車、バイクの進入禁止、犬はつないであればOK、植物採取禁止、ゴミ捨て禁止、キャンプ禁止 |
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行く手に見える山々 |
ナン・ボラン小屋から次の通過点バルム小屋までもゆるやかな上り。ここで私がこれから向かう方向から下りてきたおじさんと立ち話をする。雪の状態をお聞きしたところ、 「まだまだ雪は残ってるねぇ。あのコルを越えるんだって?そりゃ大変だぞ。ザックもでかいなぁ。若いってのはいいねぇ。俺なんか歳が増えてくのと反比例してザックの容量が減ってくよ。ハハハ」 「ハハハ(若くないってば!)」 |
バルム小屋へと続く道 写真中央ちょっと上のV字になったところが超えるべきコル |
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バルム小屋 1706m |
バルム小屋に着く。この先は水場が期待できないので、ここの水場でしっかりと水分補給する。小屋はまだ営業はされていない。小屋の周りに数人のハイカーの姿を見かけるが、どうもTMBではないらしい。もしそうならラッセル跡が期待できたのだが。 小屋のすぐ上から雪渓が始まっている。わずかだが山スキーのトレース跡が残っている。スキーで登るのと登山靴で登るのとは違うからスキー跡を信用することはできない。雪解けが始まっている今、下手すると雪下の渓流や湿地帯の池をぶち抜いてしまうので、ルートファインディグをしてしっかり夏山ルートの上を歩かなければならない。 |
標高1750m位、雪渓が始まる | |
斜度が増してくる | |
あたり一面雪になる、標高2000mくらい 来た道を振り返ったところ |
快晴の午後なので雪はくさっていて膝までもぐる。地図上の岩の形と等高線と実際の地形を必死ににらめっこして進む。ちょっと緊張して歩く。 コルは目の前に見えているがなかなか近づかない。ラッセルもきつくなってきた。でももう手が届きそうなところにコルがある、もうひと踏ん張り。 ようやくコル直下に来たのだが、この急斜でこのゆるい雪のせいで登れそうもない。これは明日の朝をまって雪が締まっている時でないと無理だと思い、今日のコル超えは断念する。しかも時間的にコルを越えても吹きさらしの標高2400mでのビバークは風があったらきつくなる。 仕方なしに来た道を20分ほど下って、登ったときに見かけた雪が付いてない平らなスペースにビバークすることにする。 6時夕食、8時就寝。 |
敗走関係図 | |
ちょうど雪が付いてない所がありました 雪崩が来ても大丈夫そうです |
【おまけ】 このコルの手前はちょっとしたプラトー(盆地)になっていて、その中央に大きなコブがぼこっとありました。ここは地図にも「土墳 tumulus 2043m」と記してあるのは知っていたのですが、こんな伝説があるそうです。 イギリス人女性とその御付の女性がここを越えようとしたときに恐ろしい嵐にあって命を落とし、その亡骸がここに埋められた。それからはこの悲劇を忘れないために、そうした悪運が再び起こらないようにと、ここを通る人は石をひとつ置いていくのだそうです。 後からこの伝説を知ったため、ここでビバークしてしまったし、用も足してしまったし、石も置いてこなかった〜。ごめんなさい。 |
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