行者還岳 ぎょうじゃがえりだけ 1546m | ||||||||||||||
奈良県・大峰山系 | ||||||||||||||
6月1日 晴れ | ||||||||||||||
行者還岳から七曜岳へ、大峯奥駈道に触れる | ||||||||||||||
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吉野から熊野にかけて紀伊半島の中心を背骨のように貫く修験道を大峯奥駈道という。修験根本道場があり、世界遺産にもなっている。その奥駈入門の山ともいえる行者還岳に登り、さらに七曜岳に縦走した。 行者還の山名の由来は、行者も引き返すほどの露岩がそそりたっているところからきたらしい。「ぎょうじゃがえり」と読むのも面白い。 登山口は大川口(おおこぐち)にある小さな、がしかし結構揺れる吊橋を渡ったところにある。登りはじめは少し急だがしばらくすると潅木のある見晴らしの良いところに出る。周りの山の同定はできなかったが、これから登る行者還岳の西壁が望まれた。以後は確か山容を望むことができない。 ここから木の根の這う道を少し下ると崩れた涸谷に出る。谷を4つほど巻くのだが、トラバースのガレ道は細く踏み後も定かではなく、掛かっている桟橋も腐っていたり壊れかけている。自分の体重で崩れやしないかハラハラする。慎重に通り抜けると陽に照らされて鮮やかな朱色をしたヤマツツジが出迎えてくれる。シャクナゲもところどころに咲いていた。 更に登ると行者還小屋に到着。まだ新しそうなこの小屋にはトイレがある。水道もあるが飲料には適さないと思う。微かに行者還の頭のてっぺんが見えるこの小屋前広場で昼食を取る。今日の行程は約12km、ここまでで3分の1くらいだろうか、これからが長いのだ。 小屋から山頂までは30分ほどで、道の途中にはシロヤシオやシャクナゲが咲いている。修験道らしくくり抜かれた岩に納められた祠なども見受けられる。 行者還岳山頂は木々の中だが南に少し展望が開けている。いかにも修行道らしく山また山と奥深く、緑の樹海が遠くまで続いている。隣には今なお女人禁制の山上ガ岳や昭和30年代までやはり女性が入山できなかったという稲村ガ岳がそびえている。 行者還から七曜までは稜線をアップダウンしながら進む。山頂に立つためには岩にかけられた鎖を伝って登るが、山頂は狭い岩の上であったが眺めは抜群に良い。七曜から北に伸びている奥駈道は大普賢岳へと続いている。 和佐又への下りは急下降が続く。沢を渡るまでは一気に下る感じで、沢からは岩場の急登となるが、鎖もアングルもしっかりしているので問題はない。150mほど登り返した後は平坦な道が続く。この辺りの自然林は素晴らしく、緑が美しい。 和佐又ヒュッテに到着して飲んだビールはおいしかった。よく歩いたせいか、山の空気がおいしいせいか? 起伏にも富み岩場もあり、森も美しく歩き応えのあるルートで、山深く神聖な気持ちになれる大峯奥駈道の山を歩けて満足な1日だった。 |
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行者還岳を望む |
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行者還小屋と微かに見える山頂 |
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大普賢岳1779mを望む |
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出会った花たち ヤマツツジ、シャクナゲ、シロヤシオ |
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