オート・ルート シャモニ‐ツェルマット
La Haute Route Chamonix-Zermatt
オート・ルートとは「高い道」の意味で、一般的にシャモニとツェルマットを結ぶ氷河ルートのこと。フランスではシャモニ‐ツェルマット
Chamonix・Zermattという呼称で知られているクラシカル・ルート。 このルートには足で踏破する夏ルートと、スキーで行く冬ルートとがある。夏ルートは1842年、冬ルートは1903年に初踏されて以来、常に憧れのルート。私も常々行きたいと思っており、今回その機会に恵まれた。この夏ルートではシャモニから電車とバスでル・トゥールに移動し、ここから出発。そのルートのほとんどはスイス内で、一部区間公共交通機関も利用し、山小屋利用の5泊6日。スイス国内ではキャンプ場以外ではテントを張るのは禁止だったと思う。 このルートがどういった難易度なのかは人それぞれに体力や技術によっても違ってくるだろうが、6日間歩ける体力と読図、氷河上のルート・ファインディングといざという時のレスキュー技術は必須。私たちは8月28日に出発したが、この時期は雪が降るので特に氷河上ではヒドゥン・クレヴァスに注意が必要。 技術的なこと意外では、全ての山小屋ではユーロが使える(でもおつりはスイス・フラン)、スイスの山小屋全てで洗面所は無く、従って水の補給ができないので山小屋でペットボトルの水を買う、2日目の公共交通機関利用区間では予めバスの時間を調べておくかタクシーを予約しておく、を考慮に入れて山行計画をたてるといいだろう。 シャモニ‐ツェルマットの中でも特に3日目〜5日目は本当に雄大な景色が広がり、アルプスの懐深く入り込んだような感じがした。回りには何の人工物も無い、人もいない、白い山だけの世界が広がる絶景だった。 【今回携行した道具類】 ピッケル、アイゼン、ロープ、アイススクリュー、カラビナ、ヌンチャク、ストック |
1日目 8月28日
ラ・トゥール la tour 〜 アルベール・プルミエ小屋 Refuge Albert 1er
雨のち雪
出発地点 | ラ・トゥール la Tour 1453m |
到着地点 | アルベール・プルミエ小屋 Refuge Albert 1er 2702m |
標高差 | 1249m |
所要時間 | 1時間45分 |
地図 | IGN 3630 OT |
シャモニに到着したのは8月25日。自宅からシャモニまで電車だと10時間かかり、そう頻繁に山に来られる訳ではない距離だ。今回はたまたま青空山岳会さんが8月19日からシャモニ入りされ、グラン・ジョラスをアタックされるという事なので私も早めにシャモニ入りした。 青空山岳会さんは無事ジョラスに登頂されたとのことで、写真を見せてもらう。ブラボー! 天気でも良ければどこかに登りたかったのだが、生憎の雨でシャモニの町に留まる。山の家で山のルート情報を調べたり、フランス山岳会の事務所に行ったりとして過ごした。それに何といっても山の話三昧で楽しい時間が持てたとこに感謝、感謝。 シャモニの駅まで見送ってもらい、電車で10分ほどのアルジャンティエールに移動しパーティと合流。ルートや道具類を確認し、6日分の昼食を詰め込み、28日午前中に出発することになった。 初日の行程はアルジャンティエールからバスで15分ほどのラ・トゥールから、アルベール・プルミエ小屋まで。コースタイムだと確か2時間30分ほど。 トゥールからはテレキャビンとリフトを乗り継いでバルムまで上がり、歩き始めることもできる。道具、食糧類を詰めた重いザックを背負った私たちはもちろん利用する。 天気が良ければトゥール氷河からモン・ブランまで素晴らしい眺望が望めるのだが、残念ながら雲が重く立ち込めてガスっている。 このコースは雄大な景色と、トゥール氷河が真近で眺められることでハイカーにも人気だ。この日も霧雨が降っているにもかかわらず、多くのハイカーがいる。緑の山腹を巻いていくとトゥール氷河の全貌が見えてきて、思わず久しぶり、と声をかけたくなる。このコースは何回か登っているが、最後に登ったのはもう3年前だ。道は途中岩場もあるが手すりがあるので危険なことは無い。次第に緑は少なくなり氷河に沿ってジグザグになる。そして岩場をトラヴァースするといよいよ馬の背のような尾根道に入り、上方に見えている小屋を目指してひらすら登る。小屋の直下は岩場だが、ペンキで印が付いているのでそれに従って登れば小屋に着く。 12時には小屋に到着したので、ゆっくりと昼食を取ることにする。 時間があるので午後には明日のルートの確認と少しだけトレースを付けに行く。 雪がかなり降ってきた。以前にアルベール小屋からエギュイーユ・ドゥ・トゥール(3542m)に登攀したときも、真っ白で展望がなかった。そうだった、私はシャモニではガス女だった。 過去2回アルベール小屋に泊まったことがあったがあまり快適な小屋とは言えなかった。ザックは一旦小屋を出て回り込んだところのロッカー室に入れなければならないし、室内はジメジメした感じ、そして食事はいかにも学生アルバイトの料理という大雑把なものだった。だが今回ザックはドミトリーに持ち込んでも良かったし、何といっても食事がおいしかった。これならまた泊まってもいいな。 小屋は8月末なのにほぼ満員。この小屋からは登攀できる山が回りにいくつかあるし、スイス側からコルを越えてここに達する人もいるのだろう。 窓の外を見ると雪はまだ降っていた。明日のルート、大丈夫だろうか・・・ |
リフトを降りると真っ白 | |
カール状の斜面を巻くように緩やかに登る | |
振り返るとモン・ブュエ(3096m)にはもう雪がかかっている | |
道は山腹を横切っている 前方は緑が無くなりザレ場、岩場になる |
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トゥール氷河が目前に迫る 左下に馬の背のような道が見える この馬の背の尾根道を登りきったところが山小屋 |
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馬の背の道を振り返る | |
小屋に到着すると氷河は眼下に | |
小屋の食事 先ずは前菜スープから ニンジンのポタージュスープで体ポカポカ |
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豚肉とキノコの煮込み、ポレンタ添え いいお味 |
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写真を撮る恥ずかしさのためちょっとピンボケ フロマージュ・ブランのフランボワーズソースかけ |
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ドミトリー内 初日は早めに就寝 毛布は一人2枚だが、夜中暑くて1枚剥いだ |
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