奥秩父・奥多摩縦走
2日目 大弛小屋〜国師ヶ岳〜甲武信ヶ岳

5月3日 晴れ
 
 
縦走5日間中一番苦労した行程
 


コースタイム
弛小屋 7:00
国師ヶ岳 7:57/8:08
国師ノタル 9:52
東梓 10:41/10:54
両門ノ頭 11:50/12:07
富士見 12:50
水師 13:53/14:03
甲武信ヶ岳 15:03/15:17
甲武信小屋 15:32



朝は5時に起床。朝陽は当たっていなかったが、薄曇りのまずまずの天気。何よりも寒くないのがありがたい。
昨日の夕食の味噌炒めの残り汁にご飯を入れた雑炊をお腹に入れて、体が温まったところで撤収開始。駐車場に張ってあった6張ほどのテントはほとんど片付けられて、私達が最後。そしてまゆ太さん、¥ちゃんと出発前に記念撮影。5日間歩き切った2人はスゴイ、そしてこうした渋い骨太コースは彼らにピッタリなのかもしれない。



まゆちゃん、¥ちゃんと、そして彼らと縦走コースが一緒だったというNクンと
素敵な山での出会いに感謝
photo by まっきー




本日の行程はほとんど雪がついているとのことなので初めから軽アイゼンをつけて登りだす。
小屋の右脇からは木の階段が伸びていて、夢の庭園とある。ここは昨日歩いた金峰や朝日、遠くには南アルプス、金峰にちょっと隠された八ヶ岳、そして目の前の国師の脇にそびえる富士山が望める絶好の展望場所だ。思わず足を止めて見入ってしまう。
朝の澄んだ空気の中で、山との時間軸とが一緒になって自分がその中に組み込まれているんだと確認できる瞬間、自分とこの場所が融合するような一瞬、だから山に戻ってくる。

昨日越えてきた山々
曇天下、南アルプスが遠望できる
夢の庭園を過ぎるとしばらくして前国師。夏の登山道なら樹林帯の幹と幹の間を通るところ、積雪で歩く位置があがったため散生した枝が顔や肩のあたりで邪魔する。これも雪山ならではだ。

国師ヶ岳の山頂からは富士山がその美しい姿を裾野までしっかりと見せていた。スッキリと晴れていないのが残念。

国師ヶ岳からはトレースがついておりそれを辿って行ったところ、前方から何人かの登山者が戻ってくる。どうやらトレースは真っ直ぐ天狗尾根に伸びており、甲武信方面に行くには国師山頂から400m位進んだところで左に90度曲がらなければならない。この分岐には道標があるのだが、雪で完全に埋もれており、左に曲がるトレースはなく、テープも左折方面にはなかったため見逃したのだ。戻ってきた登山者たちは30分ほども進んでしまい、おかしいと思って引き返したという。ちょうどその分岐付近で私達は彼らに遭遇し、直進しすぎずにすんだ。トレースを信じず、地図を見てテープで確認しないと、と反省。

国師ノタルまではアップダウンが続き、全体で約350mほど下るのだが時折急な登り斜面もある。これを前日に登ってきたまゆ太さん、¥ちゃんはきつかったろうな。とはいえ下るほうも踏み抜きオンパレード。そっと歩いても踏み抜き、忘れた頃にも踏み抜き。

うっすらと富士山
踏み抜いて抜け出せないまっきー
倒木が多かった樹林帯

国師ノタルからは東梓に向かい登り返すのだが、この短い登りが結構きつかった。昨日同様再び胃がむかむかし、吐きながら登ることになってしまい、まっきーには迷惑をかけてしまった。胃薬を飲んで少し落ちつかせる。
東梓手前に2224mの小さなピークがあるのだが、ここを東梓と思って登ったところ、先行していた単独の男性が食事をしていた。「ここは東梓じゃないんだよ。がっかりしたので食事にしたよ」とのこと。我々はそのままこのピークを通過し東梓へ。急な東梓への登りもとにかく黙々と足を進める。こういったところのまっきーの登りに対する強さはさすがだ。本人曰く、急でも淡々と登るのは好きだとのこと。

そしてまたアップダウンを繰り返し、両門ノ頭に到着。ここで少し長い休憩を取る。振り返れば今まで歩いてきた稜線と国師ヶ岳がよく見える。

左に国師、右奥遠くに金峰が見えた

地図には両門ノ頭から富士見までは「平凡な尾根道」と記載されているが、なんのなんの相変わらず踏み抜きは多いし、突然急な登りになったりと、この頃にはアッパーブローのように徐々に徐々に体に応えてくる。
甲武信手前の水師に到着したときの感動といったら、本当に言葉にならなかった。実際まっきーとも言葉なく笑うしかなかった。展望無し、標識も朽ち掛けた板に消えかかった文字で「ミズシ」としか書かれていない。でもこの小ピークはきっと忘れられないだろう。そして二人で感動したのが雪から顔を出そうとする石楠花だった。



春を待つ石楠花

水師から下ってしばらくで千曲川源流の分岐に着く。左に行くと毛木平へ下る。ここを登ったことのあるまっきーによればとても気持ちのいい登山道だという。
そして急な雪の斜面を登り、岩が出てきたその向こうが甲武信ヶ岳山頂だった。

千曲川源流分岐で

甲武信への急登

山頂直下の岩場

山頂ではずいぶんゆっくりと展望を楽しんだ。自分達の歩いてきた稜線を辿っては、よく歩いたね、と2人とも満足


15分ほど下ると甲武信小屋の屋根が見え、多くの登山者がデッキは賑わっているのが目に入った。受付で「徳さん」にお会いしたが、存在感があって小屋のご主人くささがプンプンした暖かいおじさんだった。
私達も早々にテントを張り、体調が悪かった私はちょっと昼寝。
そして一息ついた6時頃に夕食の支度を始める。今夜はポトフとチーズリゾット。野菜から出たいいダシのスープで心も体も温まった。たまたま隣だった男性も単独で埼玉から来たとのこと。山の話、お酒の話、楽しい談笑のひと時は時間がたつのも早い。暗くなってきたのを機にテントに入る。

やはり雪上の幕営は背中も足先も冷たかったが、それでもここまで来たんだな、という満足感で苦にはならなかった。










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