白馬岳〜栂海新道〜日本海 | ||||||||||||||||
栂池高原〜白馬岳〜栂海新道〜親不知 | ||||||||||||||||
9月19日〜22日 | ||||||||||||||||
標高3000mの北アルプスから海抜0mの日本海へ | ||||||||||||||||
3日目 朝日小屋テント場〜朝日岳〜栂海山荘〜白鳥小屋 | ||||||||||||||||
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いよいよ今回の縦走でのハイライト、3日目を迎える。3日目を迎えるにあたって、昨晩は早く就寝したうえ、夜中は寒くも暑くもなく、快適に眠れた。目覚ましをセットした3時少し前に目が覚め、私にしては珍しく直ぐにシュラフから抜け出した。朝食のミネストローネを胃の中に入れ、出発の準備をする。今日は栂海山荘が混雑するということなので、できれば白鳥小屋まで行きたいと思っている。 外はまだ暗く、星が所狭しと瞬いていて、今日の晴天を保証しているようだ。4時15分にヘッデンを付けて出発する。眼下の黒部市の町の明かりがちょっとした摩天楼のようだ。小屋の前の木道を朝日岳に進んでいると、既に前方にはライトがチラチラしていて先行者がいることが分かる。道は木の階段と木道が整備してあり、暗くても歩きいやすい。50分ほどで広い朝日岳の山頂に到着する。山頂には昨日小屋のベンチでご一緒だった単独の男性2人が到着していた。お互い合言葉は「白鳥小屋で!」、だ。辺りが明るくなり初め、火打、妙高のシルエットが良く見える。 |
朝日岳からの下りでご来光 辺りが途端にオレンジ色に変わった |
吹上のコルは栂海新道の始まり 蓮華温泉へ下りていく分岐でもある さわがに会の個性的な道標 岩に大きく日本海の文字 |
途中の木道で 黄金色の草紅葉が広がる照葉ノ池 |
長栂山からはこれから歩く白鳥山荘までのルートが一望できる 先ずアヤメ平まで下り、平らな道を黒岩平へ、稜線を徐々に黒岩山、サワガニ山へと登り返す さらにアップダウンを繰り返し、北俣ノ水場から一気に登り犬ヶ岳へ達すれば栂池山荘はすぐ 栂海山荘から白鳥山への稜線は見えないが、白鳥山への最後の登りの稜線が見えている 地元のご夫婦が教えてくれたのだが、栂海山荘と白鳥山荘両方が見えるのは珍しいらしい |
池塘が点在するアヤメ平は、ミニ尾瀬といった雰囲気 アヤメ平からこの先の黒岩平まではこの日最後の心休まる景色と平坦な道 随所にお花畑が点在していて夏は花が存分に楽しめるだろう だが初秋のこの草紅葉も明媚な景色だ |
黒岩山から黒岩平を振り返る |
山頂や道標のプレートは全て手作り さらにアップダウンを繰り返す 山頂が平らな犬ヶ岳の右に栂海山荘が見える |
標高を下げたせいだろうか、かなり暑くなってきた もし栂海山荘泊まりなら、手前の北俣の水場が最後の水場になるので水を汲んで山荘に登らなければならない 時間はまだ10時過ぎだったので、白鳥山荘まで行くことを決め、ここでは補給だけにすることにする 地図上では「水場まで往復10分」とあるが、どうゆっくり往復しても3分だと思う この日水は充分出ていて、その冷たさと美味しさにK林さんとU太くんはそれぞれ1.5Lは飲んでいたと思う ここからも更にこれでもかと登り下りを繰り返す |
ようやく犬ヶ岳に到着 いつものさわがに会プレートが出迎えてくれる 少し下れば栂海山荘はすぐ |
天気が良いせいか、栂海山荘では布団を一斉に干していた 思いがけずさわがに会の会長で栂海新道を半世紀に渡って開いた小野さんにお会いすることができた 「ここは俺の別荘なんだよ」 「火打、妙高、剱まで見えて、ロケーションは抜群ですね」 小屋の前のテーブルでご飯を食べてもいいよとおっしゃって頂き、少し早い昼食にする こつこつと作り上げた小屋はこじんまりとしながらも中は快適そうだった 「これから白鳥小屋まで行くつもりです」 「これからも結構長いよ、気をつけてな」 |
栂海山荘からはもったいないくらいに下る。その樹林帯の急勾配は、どうやって小野さんが切り開いたのだろうと思うくらい急だ。樹林帯なのでもちろん木の根が多く、歩きにくい上に粘土質なのか滑りやすい。約300mほど下ったところに黄蓮ノ水場があった。とにかく暑いため、地図では往復10分と書いてあるがもちろん飲みに行く。表記ほどはほど遠くなく、下りで2分くらいだろうか、冷たくはなかったが水は細く出ていた。白鳥山荘はまだ先だが、ここが最後の水場なので、体の中にも水筒にも充分蓄える。あまりに暑くて水場の小さな水溜りに頭を浸したいくらいだ。しばらく休憩してから再び歩き出す。 CTでは水場からは2時間半ちょっと、菊石山、下駒山を越え、最後に白鳥山に登り返せば白鳥小屋に着く。ブナの森は風情があるが、2日目の強風が恋しいくらいに無風。菊石山を越えては下り、下駒山の登り手前でちょっと目を疑った。巻き道どころか直登である。少し休憩を取り、登りにかかるが、急なため上半身をかがめ、木の枝があれば掴み、露岩帯では膝に手を当てて押し上げる。かなりパンチのある登りだった。これが20分程の登りでなければバテていたかもしれない。3人で汗だくになりながら下駒山の山頂に着いたときはザックをすぐに下ろし座り込んだ。真夏に引けをとらないくらいじりじりと暑かった。 |
下駒山への登り 私よりザックが思いK林さん、U太くんは大変だったと思う |
更に下り、いよいよ最後の登りとなり、白鳥小屋に着くと思うと力が湧いてくる。下駒山の登りのトラウマか、また直登か!と心構えて登ってみるとさほどきつくはなく、突然樹林帯が終わり、小屋が目の前に現れた。 |
やっと着いたという安堵からか、小屋の写真は撮るのを忘れた。 小屋は2階建てで、きれいだった。栂海山荘が混むとなるとここまで足を伸ばす人が多いかもしれない。朝日小屋のテラスでご一緒だった単独行の男性2人は既に到着しており、開口一番「下駒の登りはテント装備にはキツかったよね〜」と顔をほころばせながら声をかけてくれた。 3人で2階に上がったが、3人分の充分な場所がなかったので、K林さん親子は外にテントを張ることになった。これは大正解だった。 小屋の屋根の上には梯子で上がれる1畳半ほどの展望台があり、日本海を見渡せた。ようやくここまで来たんだと広い日本海を見ると実感できる。 夕食はK林さんが茹でてくれたウインナーと生ハムをつまみに、ここまで背負い上げて下さった日本酒とウィスキーをちびちび飲む。格別な味がした。道中すれ違った単独の女性と男性を交えての夕食は、お互いにルートを知っているだけに話も弾んだ。昼間の灼熱地獄が嘘のように涼しくなり、気持ちが良かった。 結局2階は私を含め7人が寝たが、夜は暑くて酸欠状態になった。23時頃誰かが「窓開けてよ」と悲痛な叫び声を上げ、3つある窓は開かれ、外から新鮮な酸素が入れられ、室内温度が5度は下がったかと思うほど呼吸が楽になった。その後も空けすぎては肌寒く、閉めては酸欠が続き、その間もうとうとしては誰かの豪快な鼾で目が覚めた。私もテントにすべきだった・・・ |
少し霞かかった日本海だったが、いつまでも眺めていたかった 明日はいよいよ日本海に足を浸すのだ・・・ |
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